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ヘッドオンについて

text by Hanzo
April 2014

戦闘機の空中戦をシンプルに言うと、どうやって相手を自分の前方において射撃する態勢にもっていくかに尽きます。

空中戦では、相手の背後、上方など有利な位置から射撃することが第一ですが、特殊な状況があります。

それは、ヘッドオンショットと呼ばれる射撃です。

ヘッドオンショットは、双方が前方に相手を置いて撃ちあうという状況です。

ヘッドオンの状況で、お互いが譲る気なく撃ち合えば、同時に火達磨になるか正面衝突するかして2機とも墜落という結果になりがちです。場合によっては片方或いは双方が無傷で生き残ることもありますが、結果はほぼ運次第ということになりましょう。

日本海軍ではヘッドオンショットは禁忌と指導されていたようです。
考えてみれば、限られた予算内でパイロットの錬成を行い、仮想的を上回る装備を整えようとしている軍隊が、生存率五分、勝率五分のヘッドオンを戦術として採用するはずはありません。ソ連軍の「タラン」や大戦末期の日本軍による空対空特攻などもありますが、極めて特殊な状況で採用された戦術といえるでしょう。

考えもなくヘッドオンで撃ち合うことは、撃墜されても痛くも痒くもないシムだからこそ可能なこととも言え、リアルを追及する諸氏からは、とかくその安易さを理由に批判されがちです。

ヘッドオンショットを多用することは、空戦技術を競いシムを楽しむというより、その場限りの運任せの勝負を優先していると、ヘッドオンショットを批判する人は、そのような姿勢に苛立ちを感じているのかもしれません。

もちろん、どんな姿勢でシムに臨もうが、それは各人の自由であり、さらに、ヘッドオンショットは避けようと思えばほとんどの場合避けられるわけで、言うまでもなく、ヘッドオンで正面衝突した相手から批判を受ける理由はありません。

ヘッドオン対策

ヘッドオンと一口に言っても、比較的遠くからお互いに一直線の反航で接近する場合もあれば、激しく旋回した挙句交差直前に向き合うというもの、また、一方は直線的に接近し、他方は旋回して機首を向けた直後というものかもしれません。

このようなヘッドオンショットに至る体勢の如何、周囲の状況、自機と敵機の機種によっては、積極的に勝負をかけたほうが良い場合も十分ありえます。

相手がこちらに機首を向ける前に、射程に入れることが予測されれば、一方的に射撃できるチャンスです。
自機は火力は圧倒しているが、旋回性能・速度で劣っており、1対1では到底勝てない・逃げ切れない場合は、ヘッドオン勝負に打って出たほうが勝算が立つかもしれません。

ですが、ここでは、そのようなヘッドオンを狙うべき状況はひとまず置いて、両者互角あるいは、相手が多少有利な体勢で、ヘッドオンになりそうな状況を前提に話を進めます。

ヘッドオンの状態になったとき、あるいはなりそうなとき、これを避けることのメリットはなんでしょう。

五分五分の勝負にしないということが第一です。

さらに、ヘッドオンを避けたうえで、その後優位に立つ(あるいは挽回する)方法があればヘッドオン勝負に出る理由は無くなると思います。

なのでその方法を考えてみます。

状況としては、ほぼ同高度同速度でお互いに反航しているとしましょう。

照準器の真ん中に捉えたドットは相対的にほとんど動きが無く、次第に大きくなっています。
ということは、完全な反航で相手がまっすぐ向かってきているということです。
このままでは数秒でヘッドオンショットの応酬です。

相手が衝突も辞さない様子で突っ込んで来る場合、回避できるギリギリのタイミングは3~400mだと思います。衝突まで時間にして0.5~0.7秒程度でしょう。

完全な反航であれば、500m以遠で射撃を始めるかもしれません。そして、ネットワークラグの問題がありますので、射撃を受ければ、躱しきったと思っても被弾することもあります。

したがって、ヘッドオンを避けようと思ったら、距離が詰まりきる前(目測700m)に、スティックを押込み、まず相手の軸線から自機を下方に外します。50mくらい軸線をずらす感じです。
まっすぐ下でも良いですし、下方なら多少左右に振っても良いです。

この時、キャノピーの枠で相手を見失わないようにしながら相手の動きを注視し、相手が軸線を修正し射撃してくるか見極めます。

お互いヘッドオンショットの応酬ならば、見越し修正はほぼゼロで、あとはいかに照準器の真ん中に相手を捉え続け射撃するかという勝負になります。(そして撃ち合った挙句衝突!?)

しかし、軸線がずれている場合、反航戦は高速ですれ違うため、一定の見越し角で射撃できるチャンスはほんの一瞬しかありません。

ですから射撃タイミングに合わせ相手が予測しにくい動きをすれば、射撃は超高難度となって、ほとんどヘッドオンショットがあたることはありません。

ただ、軸線をずらしただけで、射撃タイミングまで直線飛行していると、未来位置を予測されて弾幕を張られることがあります。ヘッドオンショットをしてくる人の中にはこうした射撃を得意する人がいて、かなり正確に撃ってくることがあります。

したがって、軸線をずらしているのに、なお相手が射撃しようとしてくるのが見えたら、射撃タイミングになる0.5~1秒程度前に、大きめに回避機動するよう心がけます。

回避機動に入るのが早すぎると、相手は射撃せずに追尾機動に入る可能性があります。早すぎる回避機動は相手の目の前で背中を見せることに他ならず、簡単に食い込まれますので要注意です。

こちらが、回避機動に入ったとき、相手がなお射撃体勢に来た場合、適切なタイミングで射撃を躱せさえすれば、続く展開ではこちらは有利になります。

こちらが回避機動をとったのを確認したら、相手は、こちらをいったんやり過ごして次の行動に移ることがあります。

こうした相手は、中級以上のベテランとみて良いでしょう。

多くの場合、上昇旋回して付かず離れずの体勢にもっていきます。

こちらが回避機動やその後の急旋回でエネルギーを消耗していると見れば、以後、吊り上げや一撃離脱などのエネルギー戦闘に移行するでしょう。

(つづく)